信州の山里にある寄宿生活塾の暮らし


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たかこからの山里便り

梅雨なのに標高900mの山里でも、気温が30度を超える夏日があり、地球環境の不安定さを肌身で感じています。体調も崩れがちですが、いかがお過ごしでしょうか?  フリーキッズでは、タイヤチェーンで作った優れものの道具を引きながら歩く〝チェーン除草″をするために毎日、誰かが田んぼを歩いてくれています。無農薬のお米をいただくために、一番手がかかるのは田の草取りです。田車を押したり、チェーンをひいたり、手で田んぼをかき混ぜながら草を取ります。草を生やさないために、米ぬかをまく、合鴨や鯉を飼うなどの方法もありますが、この数年は、チェーン除草が効果的で、ボランティアの方々に助けられ、除草剤を使わないお米をいただけています。 12年間の田の草取りの取り組みで、フリーキッズ(子どもたちとの自給自足暮らし)らしいな、と私が感じたのは、合鴨農法です。産まれたての合鴨のヒナが届けられ、子どもたちがしばらく面倒を見て、水に入れるくらいまで育て、田んぼにデビューさせます。合鴨のひなたちが草や虫を食べながら、稲と共に育っていく田んぼは、誰もが足を止めるような、心なごむ光景です。けれど、アヒルとカモを掛け合わせた合鴨たちは、飛び立つことができません。田の仕事を終えて、おとなになった合鴨たちは、翌年はすでに大き過ぎて、田植え直後の小さな稲の苗を荒らしてしまうことになり、お役ご免となります。毎年毎年おとなの合鴨を飼い続けることはできないので、冬の間に、命をいただきお肉をいただいていました。田んぼであんなに可愛い存在で毎日心をなごませてくれていた合鴨たちを食することは、感謝のしようもないくらい、この上なく有難いお食事です。けれど、食用肉の味に慣れている私たちは、合鴨の命をいただいてまで、積極的にすべてをカモ肉として食することができず、困ってしまい、しばらくこの農法はしていません。お米を育てると同時に、命について、食について、地球上での人間の存在について、多くを感じ、学ぶ、ありがたい体験でした。 大切なことが見えにくく、モノや情報など目に見えることが氾濫し、見えている世界だけが自分に存在する唯一の現実だと感じてしまいがちな現代生活です。人の思いや願いや人とのつながり、宇宙を司る大いなる力や自然とのつながりなど、“目に見えないことこそが本当に大切で、真実である”ことを山里の暮らしの中で、子どもたちに感じてもらえたらと願っています。 スマホやパソコンの画面を眺める時間が長く、自然の機微を感じ取る“間”がない暮らしが当たり前になっている今の子どもたちに、“大いなる自然に生かされているかけがえのない自分の命”を感じてもらえるフリーキッズの暮らしが続くよう、祈っています。夏のキャンプにも是非ご参加ください。 フリーキッズの活動を応援し、子どもたちの生きる力を育む環境作りにご尽力くださっている皆様に心から感謝を致しております。
愛と感謝をこめて 宇津孝子
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by freekids | 2016-07-07 16:07 | たかこからの山里便り