信州の山里にある寄宿生活塾の暮らし


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たかこからの山里便り

 稲刈りの初日に台風が訪れ、フリーキッズの下の集落では、土砂崩れの恐れがあり、避難勧告が出されました。幸い被害には至らず、ほっとしています。
 そんな中、無数の赤とんぼが舞う秋晴れの高い空の下での稲刈り、キノコ汁ときな粉むすびの野良でのお昼ご飯に幸せを実感できる、手刈りの稲刈りがはかどっていません。
 さて、私は、子どもたちに導かれ、気づきと学びの人生を送らせていただいていますが、この夏、大きな壁にぶつかりました。里親となり、社会的養護を必要とする子どもたちとできる限り深い愛着の絆を結びたいと願い、乳幼児から思春期までの子育てに従事している中、まだ幼い子どもから発される否定的な言動や、おさまらないうそや盗みに、私の怒りの引き金が引かれ続けていました。「愛着障害」という姿の見えない魔物のような存在(トラウマ)に、お手上げになり、トラウマを抱えた子どもたちの「癒しの親」になりたいと願い、助けを求め、コロラドのエバーグリーン心理治療センターでの10日間の修復的愛着療法の研修に参加をさせていただきました。今の私にとって、「愛着」は最も関心の高いテーマですので、学びの一部をご紹介させて下さい。
 愛着関係の障害とは、虐待・放置・親の喪失など、親・保護者との愛着形成が困難な養育環境により、人を信頼できず、怒りを抱え、自己防衛し、反抗的で他を支配し、親密さや愛情を退け、自制ができなくなること。愛着障害とは、人生においての原初的トラウマと言えます。
 癒しの親たちとは、子どもたちの情緒的・社会的・知的・倫理的そして肉体的成長を促す養育環境を与えられる「治療的親たち」です。子どもの行動に、感情的に反応せず、静かに、自信を持って、先読みしながら応え、前向きな建設的な態度を保ち、必要な情報と技術と支援と希望を持ち、自分をよく知っていて、子どもにとって自分との人間関係が癒しと変化の最も重要な道であることを認識している人たちを言います。
これまで私は、基本的に前向きで肯定的に生きてきました。人生におけるトラウマになりえるような出来事に出会っても、「すべては与えられ、私に必要な学びや気づきだから大丈夫。」と、意気揚々としていました。けれど、乳幼児期からの愛着障害にさいなまれる子どもたちたちと暮らし、私の愛情とケアと暮らしのすべてを注いでも、手の届かないトラウマの存在に愕然としました。けれど、今回の研修を終え、愛着障害は修復できることを確信し、子どもたちとの暮らしに光が差し込みました。そして今は、「癒しの親」になり切れない自分と出会い、子どもたちにカッカッしながら、心の中で「癒しの親になるぞー」と、呪文のように唱えながら自分の滑稽さに苦笑しています。
これからは、私自身のセルフケアも忘れずに、どこまでも大丈夫な癒しの親になっていきたいと思っています。なかなか実践が追い付かない自分の小ささを日々見つめながら、子どもたちの純粋な笑顔に支えられ、少しずつ歩んで参ります。小さな山里での地道な取り組みへの皆様のご支援に感謝を致しております。いつもありがとうございます。
             愛と感謝をこめて 宇津孝子
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by freekids | 2016-10-08 14:11 | たかこからの山里便り | Comments(0)