信州の山里にある寄宿生活塾の暮らし


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夏休み山村留学

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 昨年インターナショナル・エコ・キャンプに参加をしてくれたNくん。「インターナショナル・スクールは夏休みが長くて、東京にいてもたいくつー」と、言って6月28日から夏休み山村留学に来てくれています。20日間という長い滞在予定が、あっという間に残すところあと5日。「えー、夏休みはこれから本番なのに、もう帰っちゃうの?」と、とても淋しい気持ちの私です。7月の初めまでは、雨天も多く、川遊びも最近ブレイクし、ようやく「今週末にはキャンプをしよう!」と盛あがってきたところです。

 でも、私はNくんと短くもとてもいい時間を過ごさせてもらいました。
雨上がりの涼しい午前。畑で野菜たちのようすを見ていると「なんかやれることある?」と、Nくん。「山里は、雨上がりが最高に美しいと思うんだ。美しいというか、浄化されていてすがすがしい、っていうのかな。」と、私。「うん。ボクは雲が山の間から湧いてくるところをみながら畑仕事をしたいと思っていたんだ。」と、Nくん。まさに、雨が霧となり、山の間から上昇し、これが雲になるんだあ、という霧でもあり雲でもある白い気体に包まれている私たち。地上のすべてが浄化され、清められている、そんなおごそかな美しさです。私は、この光景に出会うたびに感動し、そのとき一緒にいる人にこの時と同じようなことを声にするのですが、Nくんほど思いを分かち合えた気がした人はありませんでした。中学1年生の(よその)息子と同じ空間を同じような思いで共有できて、すごいなあ、とまた新たな感動でした。

 川に行くと、「こここそ蛇が捕まえられそうだ。」と、Nくん。「今回の山村留学では、蛇を食べたいんだよね。家じゃ絶対にありえないし、お母さんには考えられないことだもん。でもフリーキッズなら普通にありえるよね。」なんだか素直に「そうだよね!」とは答えられず、「うーん、そりゃそうだよね。」と、否定はできない私でした。けれど、この日は蛇には出会うことなく終わりました。

 そして、一昨日。「アナグマが罠にかかって死にそうなんだけど。」と、Nくんが私を呼びに来てくれました。罠からはずされ、フリーキッズに運び込まれたアナグマは本当に苦しそうに息を吐いていました。「もう長くは持たないね。」と、Nくん。私は、お念仏を唱え、アナグマさんの命に感謝し、肉体を離れる魂に祝福の祈りを捧げ始めました。アナグマさんの呼吸はしだいにゆっくりと静かになっていきました。最後の瞬間まで私はお念仏を唱え、Nくんはじっと見守っていました。アナグマさんが息をひきとった後、「お念仏を始めたら、アナグマの表情はすごく穏やかになったね。安らかに逝かれた気がする。」と、Nくん。「どんな宗教のお祈りでも、すべての命にその波動は届くんだよね。」と、クリスチャンのNくんと見えないものを一緒に見たような、そんな会話を交わしました。
 
 その晩、アナグマさんのお肉が食卓を飾りました。普段からこの山のシカやイノシシ、我が家のアイガモやニワトリたちの命とお肉をいただくことはしばしばあります。けれどこの日は、枕経をさせていただいたばかりのあのアナグマさんに箸をつける気に、私は、なれませんでした。「でも、どうせ死んじゃったんだから、そのお肉はいただいた方がいいよ。」と、Nくんの意見に「そうだよね。」と、思い、一切れありがたくいただきました。私の中にアナグマさんが生きているような、そんな気がしました。「普通、お肉を食べるとき、食品としか思わないけど、こういうお肉だと、命をいただいている気がして、本当に感謝していただくね。」と、また大切な思いをNくんと共有させてもらえました。

 Nくんとは山里の暮らしを共有できただけでなく、かけがえのない自然や命の営みの実感を共有させてもらうことができました。やっぱりNくんも大家族の一員なんだなあ、と実感し、一緒に夏休みを過ごしてくれたこと、送り出してくださったご家族のみなさんに感謝の思いでいっぱいです。ありがとうございます。いつでもふる里のように帰ってきてね。  

愛と感謝をこめて たかこ
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by freekids | 2011-07-13 12:20 | 日常のひとコマ