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信州の山里にある子育て村の活動


by freekids
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山里便り 2010春

 すべてが凍りつく、しびれるような厳寒の朝も少なく、高遠の山里も春を迎えています。もっとも寒いと言われる2月に根雪がなく、福寿草の黄色い花が土手を明るく彩っていました。嬉しい反面、地球のバランスの崩れを実感し、喜べないでいます。
 今年は、少年たちの悲痛な心の叫びと共に年が明け、この1年を暗示するかのような騒動が続きました。私が里親や補導委託先になったことにより、いつでも受け入れてくれる人、共に歩んでくれる人を必要としている子どもたちとの出会いが増えてきています。
 子どもたちの命の源を支える、大いなる力の働きに気づき、小さな私は目に見える存在として、その働きのお手伝いをさせていただきたく思っています。「私という小さな枠が、子どもたちを受け入れているのではない。」と、わかっていても、子どもたちの心の行き詰まりを目の当たりにすると、切なくなったり、無力感を感じたり、がっかりしたりします。けれど、子どもたちの心優しい言動や成長の跡がうかがわれるたくましさに触れると、心から幸せに感じ、子どもたちからたくさんのエネルギーをもらいます。
 子どもたちの抱える課題や問題への気づきが深まり、自分自身の学びの必要性が高まっています。発達障害・トラウマによる不安症・愛着障害などにより、子どもが自力ではコントロールしきれない感情の波が破壊的なエネルギーとなって爆発しているように思えます。そして、その波が通り過ぎた時、反省と謝罪をする子どもたちのけなげな姿に、切なくなります。子どもの問題は、間違いなく大人の問題でもあると思います。
 「何もできないけれど、ずっと一緒に歩んで行きたいから、いつでも話を聴かせてね。」と、話を聴くことだけはやっていきたいと思っています。私の母もシングルマザーで自営業でしたが、私が子どもの頃学校から帰ると、仕事の手を止めて、テーブルに向き合ってすわり、話をする時間を作ってくれていました。そして、悲しいことや困ったことがあった日には、何も言わなくても「何かあったの?」と、聞いてくれて、私は涙ながらに話したものです。私の子育てで、大切にしていきたい、母から教わったことのひとつです。
 子どもたちは、進級や進学、社会人1年生デビューをする春です。そして、山里の自給生活は、お米や野菜の小さな芽と共に歩み始めます。収穫までじっくりと自然の力に委ね、私たちの小さなお世話に時間をかけるスローライフの始まりです。温暖化による不順な天候で、思ったとおりにいかないことが多くなると思いますが、今は自然界も浄化の過程なのだと思います。悠々と、けれど自然の営みに置いていかれないように、春夏秋冬を子どもたちと伸びやかに過ごして生きたいです。是非、お泊りにいらしてください。お待ちしております。  

愛と感謝をこめて 岩谷 孝子
by freekids | 2010-04-09 03:03 | たかこからの山里便り